成田市バージョンアップ計画2号

成田市の市政のバージョンアップを図ることを目的とする。まずは、住民訴訟。また、他の自治体の住民訴訟も取り上げる予定

3回目の住民訴訟(附属病院の土地関連)について

3回目の住民訴訟の内容について、原告が提訴前日の19日に報道関係者宛に配布したプレスリリースから引用しながら、お知らせします。下記のとおり、問題点として2点あります。

 

1 土地の無償貸与をめぐる問題

学校法人国際医療福祉大学(以下「大学」)は、附属病院に供する土地を成田市から無償にて借り受け、 これを附属病院を建設することを主たる目的として設立した一般社団法人成田国際医療都市機構(以下「機構」)に無償にて転貸し、機構は無償にて転借を受けた土地上に附属病院を建設し、 これを大学に有償にて貸し渡して賃料収入を得るという事業スキームを立て、 成田市もこれに応じた。

しかし、 このような事業スキームのもと、 成田市が大学に対し成田市が所有する土地を無償にて貸し渡すことについては「公益上の必要性」 (地方自治法232条の2)が認められず、 違法である。 また、 その違法性の程度は著しいと評価され、 当該使用貸借契約等は私法上無効といえる。

成田市は、 当該土地を正当な権原なく占有する大学及び機構に対し、 本件土地の適正な対価 (賃料相当損害金) を請求しなければならない。

 

2  各種工事等をめぐる問題

成田市は、附属病院の建設に関連して、機構に対し、随意契約にて、道路工事(3億0509万200円)、下水道工事(2億1346万5400円)、水道工事(4536万6400円)の施行を発注した。これらのうち、既に2億4949万4400円が支払済みであると考えられる(ただし、 既に支払が行われたか否かについては、 根拠資料未確認)。

しかし、そもそも機構は、上記工事等を行うことをその「目的」(民法34条,一般社団

法人及び一般財団法人に関する法律11条1項1号)とはしておらず、成田市は機構と上記各契約を有効に締結し得ない。 また、 自治体が随意契約にて契約を締結するためには一定の条件が満たされる必要があるが(地方自治法施行令167条の2第1号ないし第9号の

いずれかに該当しなければならない)、 本件においてはいずれの事情も認められず、 随意契約によって契約を締結したことは違法である。各種工事等に係る協定は私法上無効である。

成田市は、 上記支出を行った成田市長である小泉一成氏に対して損害賠償を請求しなければならず、 また、 不当に利得を得ている機構に対して不当利得返還請求を行わなければならない (既払い額:合計2億4949万4400円)。

また、成田市は、残りの費用(合計3億1442万7600円)について、支払をしてはならない。

 

3回目の住民訴訟

6月20日に千葉地裁に3回目の住民訴訟を提訴しました。その記者会見の様子は下記の千葉テレビさんをご参照ください。

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170620-00010014-chibatelev-soci

 

 

成田市の成田看護学部等の建設時の効果について

平成27年8月21日開催の医学部設置に関する特別委員会 の議事録に成田市の成田看護学部等の建設時の効果について言及されている箇所がありますので、紹介いたします。

 

◆委員(油田清君) そうですよね。そうしますと、市がつくった経済効果で、これ医学部と附属病院を合わせてですけれども、直接効果が567億円云々と。建設費等の直接効果が出ているわけですが、前の医療大学のときにも直接効果で66億円ぐらい建設費についてあると言われて、ここでいろいろな議論をした結果、実は成田市の業者は一切入らないと。全て国際医療福祉大学が入札をし、3者の入札があって、1つ金額が何か桁違いに違っていて、これは計算間違いですとか、お粗末なデータも出ましたけれども、それにしても市内の業者は一切入らなくて、国際医療福祉大学が全部業者を指名して行ったわけですね。

ところが、データとしては、我々に出されたデータは、建設時の経済効果が出された。建設時の経済効果は、実際今建っていますけれども、成田市が出したのは66億6,000万円か何か出したような記憶がありますが、これもうなかったんではないですかね。それについても、今でも建設時の経済効果ってあったんですか

委員長(上田信博君) 木下国家戦略特区推進課長。
 
◎国家戦略特区推進課長(木下敬君) 建設時の効果でございますが、これは委員おっしゃったとおりで、ほとんどが建設工事費が効果として見込まれているということは確かでございます。
 ですので、今回の看護学部の工事につきましては、東京に本社がある会社が受注をしておりますので、60数億円になろうかと思いますが、その部分が全て県内、これ千葉県内に対しての経済効果を示すものですが、全てが県内に落ちたということではないということは、それはおっしゃるとおりでございます。
 私どもで把握していますのは、大体受注額の1割程度は、これは市内の業者のほうに下請なり、あるいは今工事している中では、様々な機械・機器のリースであったりとか、コンクリートの資材の購入費であったりですとか、あるいはリサイクル業であったりとか、少なくとも市内の業者には1割程度は、その発注がされているというふうには聞いております。

 

つまり、成田看護学部及び成田保健医療学部の大学校舎を建設した時の経済効果が1割程度しかなかったことを成田市が認めたのである。土地購入費用を含めて50億円超の税金が使われたにもかかわらずである。今治市のみなさん、どうぞお気をつけください。

 

平成25年9月11日の国家戦略特区ワーキンググループ提案に関するヒアリングの議事概要

成田市国際医療福祉大学が共同提出した国際医療学園都市構想に関する平成25年9月11日に行われた国家戦略特区ワーキンググループ提案に関するヒアリングの議事概要は下記のとおり。

 

www.kantei.go.jp

 

国家戦略特区ワーキンググループ提案に関するヒアリング
(議事概要)
(開催要領)
日時 平成25年9月11日(木)16:50~17:30
場所 永田町合同庁舎7階 特別会議室
出席
有識者
座長 八田 達夫 大阪大学社会経済研究所 招聘教授
委員 坂村 健 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授
委員 原 英史 株式会社政策工房 代表取締役社長
<提案者>
成田市 国際医療福祉大学
<事務局>
(提案概要)
国際医療学園都市構想
エアポート都市構想(成田市単独提案)


(議事概要)
○藤原参事官 それでは、成田市国際医療福祉大学の共同提案という形で、また一部は成田市の単独の提案ということでヒアリングをさせていただきます。
全体のお時間は、30分ちょっとと大変短い時間でございます。したがいまして、プレゼンテーションのほうは10分程度にしていただきまして、その後質疑応答という形にさせていただきます。
資料、それから議事録のほうは公開させていただくという前提でよろしくお願いいたします。
それでは、座長よろしくお願いします。


○八田座長 お忙しいところをお越しくださいましてありがとうございました。
それでは、もう時間もございませんので早速プレゼンをお願いいたします。


成田市 国際医療学園都市構想、エアポート都市構想の特区提案につきましてプレゼンテーションを行わせていただきます。
2020年夏の東京オリンピックパラリンピックの開催が決定したことを受けまして、国土交通省は国際線の需要増加が見込まれるといたしまして、成田・羽田両空港の発着便数の拡大など、機能強化を検討すると聞いております。
また、成田・羽田間の交通利便性を向上させるための都心直結線や、成田空港と北関東、東北地方との交通利便性を向上させる圏央道の整備も促進されるものと考えております。したがいまして、本市は国際空港を擁すること、交通結節点としての拠点性を持つこと、都心とのアクセスに優れ世界に開かれた都市であることから、日本経済再生の一翼を担えるポテンシャルを有する都市であります。
本市は、国策であります成田空港の開港とともに都市基盤を備え、国際空港を擁する町として日本の空の玄関としての役割を果たしておりますが、成田空港という人、物、情報の拠点施設があり、一方で歴史と文化を有する成田山新勝寺や情緒あふれる参道があり、運気上昇の町でもあります。
さらに、国立社会保障・人口問題研究所の将来人口予測で、日本全体の人口が減少、すなわち日本の各自治体の人口が減少する中で、本市は人口が増加すると予測されており、私は日本の元気は成田からという意気込みで国家戦略特区の提案をさせていただきました。
国際医療福祉大学との共同提案の国際医療学園都市構想並びに本市が提案いたしましたエアポート都市構想の特区構想をぜひ成田市で展開できるよう、お願いをいたします。以上でございます。


国際医療福祉大学 続きまして、私のほうから御説明させていただきます。
大変恐縮でございますが、皆さんにお配りしたものを全部御説明していますと時間がないものですから、規制改革という32ページのところをお出しいただければと思います。
私どもといたしましては、この4~5年前から新しい医学教育を実現する医学部をつくりたいということで、日本の医学界のトップの方々を招聘し相当議論を重ねてまいりました。そのときに、この千葉県における大変な医師不足も踏まえて、成田市のほうでシンポジウムを開かれて、医学部の誘致とか、または医療クラスターの誘致という話がございまして、お互いに協議を重ねて合意に至ったわけでございます。
この中で私どもとしては、今、大臣告示だけで抑えられている医学部の新設についてもお認めいただきたいということが1点。もう一つは、当然そこに医学教育を行うための病院も必要ですし、また2020年開催予定の東京オリンピックパラリンピックを踏まえて、国際基準に即したレベルの高い600ベッドの医療機関をつくるということ。また、今、私どものグループでは介護の施設も持っておりますけれども、介護スタッフがいなくてどこの施設も困っていますが、外国人の介護士の導入というのはほとんど進んでおりませんので、実験的に介護施設などもそういう整備をしていくというようなこと。また、世界基準の病院をつくるときに、海外で活躍している医師などが働けるような病院もつくりたいというようなことがございます。
この32ページをまず御説明いたしますと、1つは大臣告示だけで医学部の新設が抑えられております。将来医師が余るというような予想が昔はございましたが、今は医師が本当に足りないという状況の中で大臣告示だけは生きている。法律的なことについては著名な法曹界の方々を集めて、大臣告示が法的に有効なのかという検討を行っておりますが、この告示は違法である可能性が高いとの結論でありました。行政訴訟を起こせば必ず勝つだろうというアドバイスをされる方もおられます。
それで、ここに書いてございますけれども、2035年においても埼玉、千葉、神奈川では各県において7,000人~1万人、全国で合計約5万人近い医師が不足するということでございます。
次のページを見ていただくと、日本の人口1,000人当たりの医師の数がOECD加盟国では一番少ないということがわかります。最後のところに書いてございますけれども、医学部の定員増により計算上では2035年までに医師数がOECD平均並に増えることとなっていますが、60歳以下の医師の増加というのは18%にとどまるとか、60歳以下の男性医師に限定すると4%しか増えないということ、それに対して1年間に死亡する高齢者の患者数というのは1.5倍とか1.6倍、県によっては2倍近くまで増えていくということとか、問題は多く、おそらくとても対応できない状況が予想できます。
さらに34ページを見ていただきますと、日本の医療費というのは今でもほぼ半分が65歳以上の医療費ですが、あと20年程しますと日本の総医療費の70%くらいは高齢者が占めるという時代がきます。ですから、いわゆる総人口による医療の需要ということではなくて、実際は高齢化に伴う終末期の医療だとか、そういう面で見たときに、この75歳以上の人口1,000人に対する60歳以下の医者の数というのは、例えば千葉県を見ていただきますと2010年には14.08、2035年には8.49と、ほぼ半分程度の人数になります。こうした高齢化社会の中で、医学部の新設を抑えていてどのような形でやっていくのだろうと、大変疑問に感じております。
次のページは、成長戦略でうたわれているiPSだとか基礎医学の分野についてですが、実を言いますとこれを見ていただくと本当に寒々しい状況がわかります。いわゆる臨床医も不足しておりますが、このブルーのところがMD、いわゆるメディカルドクターで基礎医学を研究している人数でございます。何とこれを見てみますと、2008年にはもう基礎医学を学ぶために大学院に入学する医師が全国で100名を切っているというような状況でございまして、今、例えばある大学の循環器内科の先生はiPS細胞の研究を一生懸命やっておられますけれども、臨床から医師を引き上げて研究に従事させようとしています。そういう研究や、創薬、革新的な医薬品の開発、日本型医療システムの輸出、在宅医療、海外からの患者の受け入れなど、いろいろな分野で活躍する新たな医師の需要を考えても、医学部の新設を抑えるという理由がどこにあるのか、私は本当に不思議でなりません。
次の36ページについて申し上げますが、この地域には大体何ベッド必要だという病床規制がございます。これには、医療費を抑えるために病床規制は必要だという意見がありましたが、私は規制ができた当時から、はたしてそうだろうかと思っていました。
現在では患者の自己負担増、DPC制度の普及などにより、病床が増えても以前よりは医療費が増加する環境にはありません。一方で新規参入がなされないため、既存病床が既得権益化して医療機関の適正な競争がなされないとか、経営不振の病院で病床に空きができても返上せずに、売買の対象になるといった弊害も見受けられます。この結果として、入院待ちの多く発生する病院でも増床ができず、患者さんに迷惑をかけている。また、競争がないため患者さんに対するサービス向上などの努力をせず、医療の質が低くとも生き残れる病院が多くなるといった状況にあります。必要な病床は、地域ごとで考えていけばよいのではないでしょうか。
韓国などの国々では、1,000ベッドクラスの病院に統合されつつありますが、日本ではこの病床規制がされた際に駆け込み増床が起こり、現在まで、その役割を終えた病院や医療の質があまり高くない病院が残ってきています。
また、現在では、インターネットや病院情報誌等の普及で、患者さんは自分が希望する病院を探すことができるため、交通機関の発達とも合わせ医療圏内の病院に入るケースは減っていると考えられます。例えば、がん患者は、医療圏に関係なく自分のがんの治療に適した病院を選びます。
病床規制については、例えば私どもの山王病院や三田病院でも、地域医療圏の中から来られる患者さんはわずかでございまして、全国から患者さんが来ておられて、なぜ地域の病床規制が必要なのかと思います。療養病床とか高齢者の病床などは、お孫さんがお見舞いに行くとか近くにということがありますので、ある程度は適正配置の概念が必要ですが、急性期においては必要ないと考えています。今は本などで調べてどこの病院に行くとかということなので、やはり医療の質の高いところに増床を認めるなどという政策が必要ではないかと思っているところです。
そもそも病床規制というのは大変な保護政策で、私は九州の高木病院という病院のある福岡県の出身です。あの地域で千何百ベッドの病院を持っていますけれども、私の父は生前、『この病床規制を神棚に飾ろう。私の子供とか孫がどんなに能力がなくても高木病院は続く。病床規制によってこの地域には二度と他の病院はできないから高木病院は安泰だ』と言っていました。ある意味では大変な保護政策でもあるわけです。ですから、やはりこれはおかしなことで、何らかの形で都道府県に判断をお任せするとか、その地域の人が質の高い病院が必要だというときには地域の判断で病院をつくれるというのは、本当に基本的なことだと思っているところでございます。
あとは、この保険外併用療養についてはいろいろと言われておりますが、私の父が肺がんになったときにアメリカやヨーロッパで認められている抗がん剤をすぐ使いたい、しかしそれを使うと混合診療になり、これまでの診療費がすべて保険適用外となるということで、こんなことが本当にあってよいのかと思いました。
また、日本ではデバイスラグだとか、ドラッグラグの解消が課題となっていますが、この問題とは別に、もう一つの問題は、治験においては、対象人口が少ないために、病気に有効な薬であっても、治験を行わないというような事例もあります。アメリカなどでは例えば肝臓がんと膵臓がんといくつかにがんの効能が認められている薬が、日本では肝臓だけということで、それを保険でしか使えない。ですから、膵臓がんに使ったら要するに土台から保険でみない。入院費からみないということはとんでもないことでございまして、そういうことについて欧米で承認されているなど、ある一定基準以上の安全性が確認できていて、主治医や本人または家族の判断などがあれば、保険外併用療養として、今度の成田の病院や私どものグループの病院について認めていただければと思います。
それと、もう亡くなりましたが、本学の開原・前大学院長が規制緩和のことをよくレクチャーしているときに、一つの例としていつも申しておりましたのは、例えばピロリ菌の除去術というのはアメリカでスタンダードになってから、日本で保険診療を認められるのに12年間かかっているということです。
この12年間、例えばピロリ菌の除去術だけを1万円払って病院でどうぞとやっていたら、今、胃潰瘍胃がんで苦しんでいる患者さんはどれくらい減っただろうか。やはり新しい医学的な技術などはどんどんできてきて、それを迅速に保険収載するか否かの判断が必要ですが、現状は相当時間がかかっている状況です。であるなら、現状の保険外併用療養の範囲を拡大する必要があると考えます。厚労省の判断だけで、これを保険に入れる、入れないということで良いのでしょうか。やはりある程度ルールを決めて保険外併用療養として認めていく。それで、ある程度それがスタンダード化したら保険収載をしていくということでいいのではないか。医療安全の話とこれは別問題で、いつも医療安全の話と混同されてしまいますけれども、医療安全は医療安全の問題として別に取り上げればいいと思っております。
また、38ページ以降、外国人の医師による診療をぜひ認めてほしいとか、先ほど申し上げました外国人の介護業務、これは本当に深刻で、なぜ介護の分野に外国人を全面的に使わないのか、非常に不思議でございます。
あとは、成田市が言っている土地利用の問題ですね。
それと40ページにございますが、成田市のほうで計算された積算の効果でございます。
最後に貿易収支についてですが、自動車業界のトップの方が言われるのは、あなたたちの医療の赤字を我々自動車の輸出で補っている。何で医療界はこんなに弱いのかということです。ここに書いてございますけれども、医薬品が1兆3,000億の赤字、医療機器が貿易収支で6,000億の赤字でございます。本構想のトレーニングセンターや医療産業の集積により、日本の医療分野の競争力の強化に貢献したいと考えています。
今の医療の世界では39年間にわたり、私立の医学部は認可されておりません。世界中の先進諸国を調べてみてもこんなことはありません。私立だと近畿大学が1974年、その後に琉球大学が79年、これは国立でございますし、沖縄返還という特殊な事情からきている話でございます。
私どもとしては、まず医学部同士でやはり切磋琢磨をして競争していくこと。年間の授業料をサラリーマンの家庭の方が入れるような200万円台でやりたいという発表もしておりますし、そういう統合型カリキュラム、いわゆる生理学・生化学とかそういうようなことではなくて、患者さんを総合的に診て高血圧というところから遡ってやっていくような新しいタイプの医学教育を行っていきたいと強く願っております。
また、病院の競争を制限したり医師の養成段階を規制したりするなど、徹底的にあらゆるところで医療に対する規制をしてきたこの医療界の結果というのが、日本の貿易赤字の一因になっていると思っておりますので、やはり競争なき社会に進歩はないということで是非いろいろな面で御検討していただければと思います。よろしくお願い申し上げます。


○八田座長 どうもありがとうございました。


成田市 私のほうからは、土地利用に関する規制の緩和について御説明をさせていただきます。資料の39ページをご覧いただきたいと思います。
本市はもともと成田山新勝寺を中心として、周辺は良好な田園地帯でございました。本市では、およそ8割が農業振興地域ということになっておりまして、農業は成田市の重要な産業の一つとなっております。また、森林につきましても市域に点在しているところでございますけれども、市といたしましては自然を守るという観点、あるいは優良の地、里山などを保全するという責務があるとは考えておりますが、しかしながら今回御提案申し上げております本構想を実現させるためには広大な敷地が必要となり、土地利用に関する規制緩和が必要であると考えております。
市といたしましては、構想の内容に限定してではございますが、農地を転用し、学術医療集積ゾーンとして附属病院及びトレーニングセンターなどの設置を可能にし、また医療産業集積ゾーンとして医療産業が進出、相互に連携できる区域を創造したいと、このように考えております。
国家戦略特区の提案に当たりましては、国際空港があるという利点を生かし、成田市としては周辺市町村はもとより、千葉県、ひいては日本の将来を大きく飛躍させるという考えのもと、先ほど市長からも申し上げましたとおり、成田から日本を元気にしようという意気込みで提案を行っているところでございます。よろしくお願いいたします。


成田市 続きまして、エアポート都市構想について御説明させていただきたいと思います。
1枚おめくりいただきまして、まずエアポート都市構想というのは成田国際空港の力というものを最大限に活用して、下に4つ掲げてございます観光、スポーツ、物流、企業誘致といった4つを柱に打って出よう。打って出る施策を行おうという構想でございます。
まず、今日は成田国際空港の重要性を改めて認識していただければと思っておりますけれども、成田空港は日本最大の国際空港でございます。世界35か国、3地域、98都市と結ばれておりますし、また年間17万回の国際線というのは国内のほかの空港と比較して群を抜いております。羽田の4.3倍、関西空港の2倍といった状態でございます。
また、アメリカと東アジア、アメリカと東南アジアを結ぶトランジット拠点の位置にございます。アメリカと東アジア、東南アジアの大きな流動というものはこれからますます発展、増加すると考えておりまして、これをしっかり日本の中に取り込んでいくということが国家として取り組むべきものではないかと思います。 6
実は、成田空港は2011年にインチョンに発着回数を逆転されました。去年も逆転されたままでございます。
しかしながら、下のピンクとブルーのグラフをごらんいただきますと、このピンクのグラフはアジアの空港とアメリカの便ということですが、成田はまだ米国便は優位でございます。ブルーのものは欧州便でございまして、これは相互に拮抗しているという状態でございます。この米国便を羽田に少しずつ持ってきてしまって弱めてしまうというのは、実は本当に大丈夫だろうかということを少し危惧しております。
また、今年の3月からオープンスカイが導入されまして、平成26年度までに年間発着容量30万回に向けて空港機能を強化しております。そういう意味では、さらに発展する方向にございまして、国家戦略として上手に使わない手はないのではないかと思っております。
次のページですが、LCCが昨年7月から参入いたしまして、これによって国内線15路線に拡大いたしました。また、例えば札幌便16便、福岡便15便というように相当に密度の濃いネットワークになっております。
また、鉄道、道路のアクセスもだんだんよくなってきておりまして、スカイアクセス線の開通によりスカイライナー、空港-日暮里間は36分で結ばれるようになりましたし、LCC就航後、格安高速バスが運行を開始しまして、今では900円か1,000円で1時間程度で結ばれるという状態になっております。
また、今後さらに右の絵にございます赤い点々のところ、これは圏央道の現在整備中のところですけれども、こういったところが開通すれば常磐道東北道方面への利便性の向上が見込まれ、また都心直結線の整備によってさらにアクセスがよくなっていくだろうと考えております。
次の6ページ目でございます。こちらは、成田市内の魅力についてでございます。成田は成田山新勝寺門前町でございますけれども、空港から至近距離に年間1,000万人も来るところでございます。また、周辺地域には佐原であったり、酒々井プレミアム・アウトレットなどがございます。さらに宿泊施設も8,000室を誇り、料金は東京の2分の1でございます。
そういった中で、まず柱の1つ目、訪日外国人旅行者誘致ということですが、我々としては日本の最終宿泊を成田に来てもらおう。また、先ほどのトランジットの客を取り込みたいと考えておりますが、規制改革、国との連携といたしましては、まず日本に来ていただいた最初の印象というのは入管でございます。この入国審査の体制を強化していただきたいと思います。
東日本大震災以降、入国審査官が非常に減らされまして、そのままの状態になっております。また、入管ブースもAゾーン、Bゾーンがある中で片側の運用という状態になっておりまして、それで今40分~60分待つような大変な状態になっております。これをぜひ即座に元に戻していただきたいと思っております。
また、ビザの発給やショアパスの緩和ということもお願いしたい。
さらには、空港の検問が今では成田空港は入るところで検問されておりますけれども、これについても機械警備も取り入れた形にしていただきたいと思っております。
2つ目の柱ですが、「スポーツツーリズムの推進」ということで、2020年東京オリンピックの開催が決定いたしましたが、我々としてもスポーツツーリズムにしっかり取り組んでいきたいと考えております。成田の強みとしては、運動施設が非常に豊富にございます。2種公認の中台陸上競技場であったり、サッカーの日本代表チームが練習会場としたようなフィールドなどがございます。
そういう意味では、我々としていろいろな国際大会、全国大会の誘致やオリンピックの合宿地などにしていきたいと思っておりますが、その際にはスポーツ施設の整備をしたいと考えておりまして、先ほどの大学と同様、土地利用規制の緩和、農業振興法の土地利用規制の緩和などをしていただきたいと考えております。
また、3点目は物流でございます。成田は、国際物流のナンバーワンの地域でございます。羽田が国際化した際でも微動だにしなかったということですが、これは成田地域に既に倉庫が集積しているからということでございまして、さらにこれを発展させるべく自由貿易地域の設定をしていただきたいと考えます。
さらには、現在この地域に圏央道を整備中でございますが、それの早期整備をお願いしたいと考えております。
また、4点目は「国際企業も含めた企業誘致促進」ですけれども、LCCによって地方都市へのアクセスもよくなった。また、地上アクセスもよくなってきた中で、土地は安いし、そういう意味で非常に発展可能性があるということでございまして、こちらもそういった誘致ができるように土地利用規制の緩和をやっていただきたい。また、都心へのアクセス向上として都心直結線の早期整備をお願いしたいと考えております。以上でございます。


○坂村委員 さっきの医学部がなかなか増設できないということについて質問させていただきたいのですけれども、これは40年前がそうだったということが、今は時代も変わっていわゆる少子高齢になってきて、状況は明らかに変わっている。しかもここにいらっしゃる名立たるお医者様自身がそう言っているという状況で、一体誰が反対するのですか。


国際医療福祉大学 私どもはこれだけ医師不足が問題になっていて当然認めていただけるものだと思っていました。しかしこの4~5年にわたって活動していますと、例えば日本医師会は、反対の立場をとっておられますが、いろいろな県や地域の医師会長レベルとお会いすると、自分たちの県は医者が足りなくて困っている。医学部の新設には賛成だという方もおられます。それともう一つは同業者、全国医学部長病院長会議などが新規参入は認めるなといって頑張っておられるということでございます。


○坂村委員 こういう言い方をしては何ですけれども、そうすると国という問題でもあるかもしれないが、お医者様たちの間の中の問題というのも半分くらいあると。


国際医療福祉大学 ただ、昔、予算委員会か何かの委員会で国会議員のある先生が、2~3年前開催された医学部の定員と医学部の新設を認めるかどうかという検討会についての質問をしておられました。そのときにその国会議員の方が言われたことは正しいと思うのですが、同業者のたばこ屋のおばさんに、隣にたばこ屋をつくっていいかと聞けば反対するに決まっているので、やはり医療関係者で構成された会というのはおかしいんじゃないか。本来であれば医師会だとか同業者の人たちの話は専門家の意見としてもちろん聞いていただいて、その後に学識経験者やマスコミや地域住民の代表の方々といった、国民に密着した人たちなどが医学部の新設を認めるべきかどうかという可否の判断をすべきである、という内容の話をしておられました。私もその通りだと思いました。
私は日本の社会の根底というのは自由主義競争で成り立っていると考えています。ですから、私は、そう簡単には同業者のことを反対したりしない立場でずっと生きてまいりましたので、競争したらいいじゃないか、隣に病院ができてもいいよと、私はそういうふうに考えています。


○坂村委員 御自分がですね。


国際医療福祉大学 はい。私自身はそういう考えでやってきましたが、そういう人ばかりではないと言うことです。
本来であれば、政治家なり役人の方が泥をかぶっても、必要なものは必要だというべきなのが、反対意見が少しでもあると、医学部新設の議論がなかなか進まないという状況がありました。この4~5年間の動きは非常に残念なことだと私は思っています。


○坂村委員 お役人の方が泥をかぶらないというのは、やはりいけないと。


国際医療福祉大学 それもあるのではないかと思います。


○八田座長 そうじゃなくて、政治家が責任を取ってやればできることです。御役人だって、裏にやりたくない政治家がいるから既得権側についている場合も多いと思います。
ほかにございますか。


○坂村委員 もう一個、混合診療のほうは他でもそういう話はたくさん出ているんですけれども、それに関してもやはり同じような反対ということですか。


国際医療福祉大学 医師会は反対の立場だと認識しています。


○坂村委員 そこでいつもひとつ疑問に思うことがあるんですけれども、例えば結構難しいがんになったとき、開業医の先生は普通あまり害は受けないというか、関係ないでしょう。もともとそういうものは対応できないわけですから、例えば大病院に送られたりするわけですね。役割分担があると思うのですが、それはすごく不思議ですよね。


国際医療福祉大学 私はこれもすごく不思議なのです。
でも、例えば全国の病院などのアンケート調査などで、あなたは混合診療に賛成ですかという調査をしたときには、相当部分が賛成だと書いてあったりします。が、一方で医師会には、お金持ちだけがいい医療を受けられるというようなことを言う方もおられます。
でも、やはりそれは違っていて、例えば山王病院で動脈塞栓術という低侵襲の子宮筋腫の治療などは、本当は患者さんからいただくのは保険外併用療養を認めれば5万円くらいでいいんです。ところが、それが混合診療だとすべてを保険適用外とするので、42万円くらいいただかないといけなくなります。例えばそういう低侵襲の技術にお金持ちならばいくらでも払います。保険外併用療養を認めない現状の方が一般の患者さまにとっては高くつき、逆の意味で非常に使い勝手が悪くなっています。


○坂村委員 結果として、逆になっちゃった。


○八田座長 非常に説得的です。アメリカン・メディカル・アソシエーションが医学部の学生数を制限していかに弊害を生んでいたかというのは有名です。日本の医師会もアメリカ方式を学んじゃったわけですね。それから、病床規制は、妊婦のたらい回しも引き起したりしてとんでもないことだと思いますから、本当は全国で緩和するべきなんですが、今まで風穴が開かなかった。
それで、特区でやろうというお気持ちはわかりますが、これは特区で成田でやるということの理由ですね。ここは国際的な場所であるというのはよくわかりますけれども、さらに成田で病床規制に関して緩めるということに関しての積極的な理由というものがあれば、それを教えていただきたいと思います。


国際医療福祉大学 私どもは、三田病院と山王病院を持っており、 三田病院は291床で約150人の常勤医師が、山王病院と隣接する山王メディカルセンター合計94床で100名以上の常勤医師がいます。こうした病院は少ないから、患者さんがたくさん集まってこれらます。それなのにベッドが足りない。いろいろな方からどうして三田病院や山王病院ではベッドを増やさないのですか、と聞かれますが、病床規制があるからだめなのです。
もし、東京でとなった場合、三田病院や山王病院もその対象として頂けるならそれも一つの考えだと思います。
ただ、やはり今の安倍政権の海外成長戦略に対する協力だとか、ミャンマーの医療水準の向上を目指した留学生の受入実績とか、中国でも初めてのリハビリテーションの4年制大学をつくるのに、本学が留学生を受け入れて40名くらい中国に帰して4年制大学をつくった実績だとか、この病院は海外からのインバウンドの患者さんを受け入れるということもありますよとか、あとは海外にそういうスタッフを出して日本型の病院をつくって日本の医療機器は非常に優れていますので、ミャンマーベトナムなどの留学生を受け入れて海外に帰す、あるいは日本人が同行して指導するような病院のパッケージ型の輸出を実現するためには利便性という面でいえば成田国際空港のある成田市が最適と考えたからであります。
昔は、日本の医療援助でできたベトナムなどの病院に行くと医療機器はほとんど東芝・日立製でしたけれども、この間ベトナムに行きましたらほとんどシーメンスとGEに変わっていて、存在感がなくなっておりました。


○坂村委員 ただ、成田市さんはいろいろなことをおっしゃっていますので、成田でやれるといったときに、これはいろいろなものが複雑に絡み合ってしまっているんですけれども、例えば農地の転用で病院の土地をというお話をさっきなさいましたね。もしもそちらはだめだけれども、その病床を増やすのはよいとなったときは、それでも大丈夫なんですか。
病床を増やすということをやろうという話になったときに土地もセットでないと成田ではできないんですか。


成田市 そんなことはないです。


国際医療福祉大学 一応、私どもに病院の用地として提示されている場所についてはこの規制緩和がなくてもできるということです。それで、むしろその次の段階として医療機器のトレーニングセンターだとか、大規模な企業、海外から短期研修を受け入れるとか、医療機器の集積の地域などをつくるときに少し緩和がないと、そこまでの土地はないということです。病院と学校の土地は提示していただいております。


○坂村委員 わかりました。基本的に違うと思っていいんですね。


成田市 基本的に言いましたら、産業などが入りたいと言っても、この土地利用の規制があるものですから、成田空港を生かした産業だとか企業などが進出したいといってもなかなかできない部分があるんです。それと、今回の構想は医療産業までのことを考えていまして、まさに広大な土地が必要なので、そこの部分ではぜひ緩和をお願いしたいということです。


国際医療福祉大学 おそらく山王病院が日本でも有数の外国人患者の受け入れがある病院だと思います。
ですから、海外で認められた薬などの保険外併用療養の拡大についてはうちのグループの病院を全部対象にしていただければと考えています。もちろんそこに病床規制まで緩和していただければと思います。三田病院なども本当に不足していますから。
○八田座長 実は、私ども医療に関して大きな規制改革をやるべきだろうと思っていたんですけれども、それはできれば国際化を促進するようにということだったんです。それで、これは三田病院も入るのかどうか知りませんけれども、可能性としては東京も含めて考えていたわけです。実際の区割りというのは、最初からというわけにはなかなかいきませんが。
そうすると、成田も、東京もどこの病院でも病床規制していいというわけでもないだろう。そうすると、何らかの形で例えば国際的な企業や人々の活躍を助けるような形でという理由が必要ですけれども、そのときの基準ですね。例えば、こういう基準を使えば国際性の目安になるだろうというものが何か御提案がありますか。


国際医療福祉大学 当然、医師の数だとか、質の高さだとか、そういう問題はまずベースとしてはあるでしょうね。


○八田座長 それはそうですね。まず医療水準ですね。


○坂村委員 それを供給できなければできないでしょう。


国際医療福祉大学 例えばグループ内の福岡山王病院など199床の全室個室の病院でプール、ジムがあって、福岡では代表的なアジアからも患者さんに来ていただくような病院だと自負していますが、実を言うと海外からの人なども受け入れられるような世界的な病院を見ると、やはり規模が600とか1,000ベッドとかあって、例えばバンコク病院では、中華料理のレストランと、フランス料理のレストランと、タイ料理のレストランと、日本料理のレストランがあって、世界各国の患者さんに対応でき、アラブの王族の随行が泊まる部屋があるなど、やはり相当外国人を意識した設計をしています。
私は、もし成田に病院の開設を認めていただければ、山王病院や三田病院などの私どもグループの経験を活かし、アメニティを充実させたレストラン部門なども極めて充実させ、バンコク病院だとか、ここに書いてあるラッフルズ病院だとか、韓国の1,000ベッドクラスの病院に対抗できるような病院を実現したいと思います。現在ある既存の病院では、対応が難しいでしょうね。


○坂村委員 ということは、もしもそういうことができるようになったときにはスピード感というか、どのくらいでできるのかということで、10年後なのか、5年後なのか、すぐなのか。


国際医療福祉大学 ここに書いてございますけれども、医学部については28年の4月に開設、病院については29年の秋に、例えば今年の年内に何とか御決定いただければ29年中には、少なくともオリンピックの開会式には間に合うように、世界基準の病院を国際的な玄関口にきちんとおつくりして示したい。
成田市と我々の大学とで数百億円の予算措置は可能であり、実現性として医学部および大学病院などの候補地も決まっていますし、他県からの誘致も複数ありましたが、土地や財政面での具体性に乏しく、一方で成田市との話は実現性が高く、予定通りに実現可能と判断しています。


○坂村委員 すぐできると。


成田市 土地利用の規制の緩和については、この農地転用とか、そういうことについて4ヘクタール以上になりますと国の許可が必要なんですね。ですので、そのスピード感という意味でもここの規制を外していただけるとスピード感を持ってできるということです。


○八田座長 わかりました。どうもありがとうございました。
今の基準に関しては、基本的にはある種の規模と質を担保しろということですね。それから、補助云々というのは結果的には料金というか、学費とか、そういうものがあまり法外でないようなものにしろとか、そういうことですね。


国際医療福祉大学 やはり医学部を認めるときの条件というのは、まず病院を運営していて現場がよくわかっていること、財務的に問題がないこと、そして地方自治体がある程度関与して運営にきちんと責任を持つということ。昔、私立の医学部を認めたときに寄附金などを集めたような悪例がありますから、保護者からの寄附を認めないとか、少なくとも年間の授業料が200万円台の医学部としては安価な額でもやっていけるような、財務的に相当きちんとしたところに認めるということではないかと思っています。そうしないと、やはり問題だと思います。


○坂村委員 そうですね。


○八田座長 病院と医学部と2つ別々だけれども、医学部のほうに関してはそういうことですね。
どうもお忙しいところありがとうございました。

成田市の住民訴訟その1

現在、成田市に対する住民訴訟は2つ行われている。1つは成田看護学部及び成田保健医療学部の土地等に関するもの、もう1つは医学部の土地等に関するものです。

ここでは、1つ目の住民訴訟の主な請求内容を紹介します。

 

その1:成田市国際医療福祉大学の成田看護学部及び成田保健医療学部の敷地として京成電鉄から購入した土地に関するもの

(主位的請求)被告成田市は、成田市長に対して、金5億8100万円、及びこれに対する平成26年3月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。

(予備的請求)被告成田市は、成田市長に対して、金2億2300万円、及びこれに対する平成26年3月14日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。

 

上記2つの違いは金額だけ。最初の金額は、土地の購入代金20億3800万円と不動産鑑定価格14億5700万円(地区計画変更を加味しないもの)の差額、2つ目は土地の購入代金20億3800万円から不動産鑑定価格18億1500万円(地区計画変更を加味したもの)の差額である。

 

要は不動産鑑定価格の違いで、それは地区計画変更を加味したか否かである。これについて、原告の訴状には下記のとおり記載されている。なお、下記の「本件鑑定書Ⅰ」とは土地の不動産鑑定価格14億5700万円とした不動産鑑定書、「本件鑑定書Ⅱ」とは土地の不動産鑑定価格18億1500万円とした不動産鑑定書のこと。

 

「(ア)本件鑑定書Ⅰの評価時点である平成25年1月1日時点,あるいは,本件鑑定書Ⅱの評価時点である同年6月1日時点において,本件土地は,「成田市計画地区計画(公津東地区)」により「中心商業業務地区」に指定されているところ,「中心商業業務地区」においては,大学を建設はできるが,マンションなど共同住宅の建設はできなかった。本件鑑定書Ⅰは,上記のことを前提として,平成25年1月1日時点の正常価格を鑑定している。
(イ) 他方,本件鑑定書Ⅱにおいては,想定上の地区計画の変更 -具体的には「中心商業業務地区」においても共同住宅を建築することができる旨の地区計画の変更- の決定がなされたとの仮定の条件が付け加えられて,鑑定が行われている。その結果,上記⑴で述べたとおり,基準時点が6か月しか異ならないにもかかわらず,本件鑑定書Ⅰと本件鑑定書Ⅱの各鑑定の間には3億3800万円もの差異が生じることとなった(共同住宅の建設が可能となることにより,土地の価値は大きく上昇する。)。」

 

つまり、地区計画変更により、成田市京成電鉄から購入しようとしていた土地がマンション建設可能となった結果、土地の価値が上昇した。この上昇した分が成田市の損害であるので、それを損害賠償請求しています。

 

その2:購入した土地の無償貸与に関するもの

被告は,成田市長に対し,平成26年3月以降,毎月末日限り各金182万1250円,及び各金員に対する翌月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。

 

要は無償で貸すのは違法であるからとして、地代相当額を損害賠償請求しています。

 

訴状によれば、事実関係は下記のとおり。

成田市長は,成田市を代表して,平成25年12月19日付けにて,国際医療福祉大学との間で,本件土地を,平成26年3月1日から平成56年3月31日までの約30年間(厳密には,30年間と1か月間),無償にて貸し渡す旨の使用貸借契約を締結した。
本件使用貸借契約第4条第2項は,上記使用貸借期間の満了時において本件土地が国際医療福祉大学の大学校舎等の用地として使用されている場合には,同契約はさらに20年間延長され,その後も同様と定めている。つまり,国際医療福祉大学は,本件土地を同大学の大学校舎等の用地として使用している限り,これを無償にて使用し続けることができる。」

 

その3:校舎補助金30億円に関するもの

「被告成田市は,成田市長に対し,金30億円,及び,うち15億円に対する平成27年3月26日から,うち15億円に対する平成28年4月1日付から,それぞれ支払済みまで,年5分の割合による金員を支払うよう請求せよ。」

 

成田市長は,成田市を代表して,平成26年4月1日付けにて,国際医療福祉大学との間で基本協定書(以下「本件協定書」という。)を締結しているところ,同協定書においては,補助金の交付につき,下記のとおり定められている(下記条項に基づいて交付される補助金を,以下「本件補助金」という。)。
                 記
(キャンパスの建設に対する補助)
第7条 甲(成田市)は,乙(国際医療福祉大学)が建設するキャンパスの建物の建設に要する費用について,乙に対し,総額30億円(当該費用の2分の1に相当する額が30億円に満たないときは,当該2分の1に相当する額)の補助金を交付するものとする。
2 前項の補助金の補助対象期間は,平成26年度及び平成27年度の間とし,次の各号に掲げる年度の区分に応じ,それぞれ当該各号に定める額を交付するものとする。
⑴ 平成26年度 前項に規定する費用のうち当該年度に係る費用の2分の1に相当する額(当該額が15億円を超えるときは,15億円)
⑵ 平成27年度 前項の補助金の交付確定額から前号に掲げる交付額を控除した額
3 第1項の補助金の交付の方法その他必要な事項については,甲が別に定めるところによるものとする。
成田市は,本件協定書7条3項に基づき,平成26年7月4日付けにて,本件補助金の交付の方法等について詳細を定めた。
国際医療福祉大学は,平成26年7月7日付けにて,成田市に対し,30億円の補助金の交付を受けたい旨の本件補助金の交付の申請を行った。」

 

これも違法として、30億円全額を損害賠償請求しています。

今治市での住民監査請求についてのコメント

学校法人加計学園愛媛県今治市に開設予定の獣医学部に対する土地の無償譲渡等に関して住民監査請求が行われたようだ。

愛媛新聞の記事

ehime-np.co.jp

上記の愛媛新聞を読むと大学に対する補助が「不当」ということで監査請求を行ったようであるので、今回は監査結果が出た後の住民訴訟はないことになる。なぜなら、住民訴訟は「違法性」を争うもので、「不当」性は対象外であるから。

 

 

成田市の大学誘致の経緯について(平成25年1月から12月まで)

※赤字は更新箇所(6月13日)

 

平成25年

1月

・(5日時間不明)副市長及び企画政策部長が国際医療福祉大学関係者と市内で会食

・(15日)大学キャンパス用地の地区計画変更手続き開始(地区計画の変更に係る原案を縦覧)

※この地区計画が変更されると、共同住宅(マンション)が建設できるようになり、土地の価値が上昇する。なお、地区計画が変更されずとも大学は建設可能であった。

・(31日)不動産鑑定結果は、看護学部等の土地を14億5700万円と評価(平成25年1月1日時点)。

 

4月

・(2日)「AERA 医学部誘致に関するアンケート」に回答

・(4日時間不明)副市長、企画政策部長、企画政策課長らが国際医療福祉大学関係者と市内で会食

 

5月

・副市長、企画政策部長、企画政策課長らがある大学関係者と市内で会食(時間不明)

・(22日)2回目の不動産鑑定を依頼。

 

6月

成田市が土地の所有者(法人)に土地の不動産鑑定資料の提供を依頼(なぜか看護学部及び保健医療学部の土地だけでなく、その隣の医学部の土地に関しても資料請求。なお、当時は医学部に関する具体的な話はない)。

・土地の所有者側の不動産鑑定結果は、22億6232万7000円。

・(14日)2回目の不動産鑑定結果は、18億1500万円(平成25年6月1日時点)。1回目との差額は、地区計画変更により、共同住宅(マンション)が建設できることが加味されたため。

 

7月

成田市が土地の所有者に対して、看護学部及び保健医療学部の土地の購入価格を、成田市の不動産鑑定価格と土地所有者の鑑定価格の中間値である20億3800万円としたいとの申入れを行う。実際の購入価格も20億3800万円。

 

8月

・(5日時間不明)市長、副市長、企画政策部長らがある大学関係者と市内で会食

・(20日時間不明)市長、副市長、企画政策部長らが国際医療福祉大学関係者と市内で会食

・(22日及び23日)大学誘致に係る意見交換(関西のある大学まで行く。1泊2日)

※この頃、新聞で報道される。

・(23日)国家戦略特区に関する国の説明会に市職員が参加

「渡部辰幸企画政策部長:8月23日の説明会には、私どもも行きましたし、また、国際医療福祉大学のほうも説明会を聞きに行きました。そういった中で、お互いが今考えていることでできることを構想として結びつけることができるんであれば、一度提案をしたほうがよいだろうという判断で、23日の説明会以降に双方協力して構想としてまとめ上げたものでございます。」(平成25年9月13日総務常任委員会での発言)

・(30日)国際医療福祉大学が千葉県に対して補助金(千葉県看護師学校養成所施設・初度設備整備事業補助金)申請

申請書には「開設予定地は、成田市京成電鉄(株)より購入し、本学へ譲渡もしくは貸与する予定です」との記載があり、当初は土地の譲渡(恐らく無償譲渡)も検討されていたことが分かる。

 

9月

・(2日)千葉県からの大学に対する補助金が承認される。但し、補助金は確約されたものではなく、毎年協議上、県で予算化されるとのことで、下記のように交付される予定だったようである。

  平成25年度 200万円

  平成26年度 800万円

  平成27年度 9000万円

 ・(7日)成田市が「国際医療学園都市構想」を国際医療福祉大学と共同提案をすることを決定

「渡部辰幸企画政策部長:今回の国家戦略特区、共同提案することを最終的に決定したのが、9月7日でございまし」た(平成25年12月3日定例会での発言)。

・(10日)成田市は「国際医療学園都市構想」を国に提出

・(11日)成田市は、国際医療福祉大学と共同で国家戦略特区ワーキンググループの提案ヒアリングの場で「国際医療学園都市構想」を発表。

www.kantei.go.jp

・(17日)成田市議会が「大学誘致の必要性と費用対効果について調査・研究を行うため」の大学誘致調査特別委員会(市議12名)の設置を決定し、同日その特別委員会が開催される。

・(26日19時)大学誘致に係る住民説明会(場所は市内のもりんぴあ)

・候補大学3校のうちの1校からの手紙(成田市が意向調査を行う前から声をかけていたらしい大学)

 

10月

パブリックコメント実施(期間:1日から20日まで)

成田市にはパブリックコメント条例がないため、パブリックコメント要綱に基づき実施。

・土地のボーリング調査及び測量協力依頼(成田市が土地の所有者に対して、国際医療福祉大学による土地の調査及び測量への協力を依頼)

・(11日)市議会の大学誘致調査特別委員会開催

 

11月

パブリックコメント結果の公表

・土地取得に係る書面による庁議(株式会社で言えば取締役会決議のようなもの)

・(7日)市議会の大学誘致調査特別委員会開催。この委員会には次の国際医療福祉大学関係者が参考人として出席。

 

12月

・(3日)成田市と土地の所有者京成電鉄との間で土地売買契約締結(仮契約)

・(9日)市議会の大学誘致調査特別委員会開催

・(19日)市議会で土地売買契約及び土地使用貸借契約(30年間)の締結承認

成田市は、国際医療福祉大学看護学部及び保健医療学部のために、土地を20億3800万円で購入し、その土地を30年間無償貸与することとなった。

 

19日の市議会の本会議は極めて変なことが起こった。

本会議は午後1時から開催され、午後2時16分から午後2時45分まで休憩があって再開されたが、下記のような展開となった。

 

○議長(上田信博君) ご異議なしと認めます。

よって、さよう決しました。
暫時休憩いたします。

(午後2時58分)

--------------------------------

議長(上田信博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

(午後4時50分)

--------------------------------

議長(上田信博君) あらかじめ会議時間を延長し、暫時休憩いたします。

(午後4時51分)

--------------------------------

議長(上田信博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。

(午後9時45分)

 

上記のとおり、午後3時前から午後9時45分までほぼ休憩となり、看護学部及び保健医療学部の大学校舎の土地の無償貸付の決議を行い、午後10時1分に閉会となった。

「午後3時前から午後9時45分までの間に何かがあったのだが、市議会の議事録ではわからない」と以前書いたが、実際は大学誘致調査特別委員会が午後3時45分から、2回の休憩(午後4時42分から午後5時18分まで、午後6時7分から午後8時まで)を挟んで午後8時14分まで開催されていた。しかし、2回目の休憩時間が長いうえに、特別委員会が終わってから本会議が始まるまで約1時間半もあり、通常ではない状態になっていたのは確かである。

 

 ・(24日)地元の印旛市郡医師会から「成田市の医学部新設に対する反対意見書」が市議会に届く。

 反対意見書の趣旨

「現在国家戦略特区の一環として、成田市国際医療福祉大学の医学部を新設
する計画が検討されているが、われわれ公益社団法人印格市郡医師会は、全会
員の総意として反対することを表明する。」

また、反対意見書から一部引用します。

「今回の医学部新設問題は、成田市国際医療福祉大学から事前に何の説明も
なく、日本医師会から突然もたらされた。まさに、晴天の霹靂といえる。」

「これから医学部を新設しても、卒業生が出て、彼らが一人前の臨床医になるには10年以上の年月が必要で、その頃には、すでに医師過剰時代になつていることが予想される。」

「今回の大学病院新設では、国際医療福祉大学は、2000人の医療スタッフが必要であるとしている。(略)現在、印旛2次医療圏では、千葉県に認可されながらまだ稼働出来ていない病床が約1000床程ある。稼働出来ない理由のほとんどが医療スタッフの不足である。このような地域に2000人もの医療スタッフの需要を持ち込んだとしたら、地域の医療機関からスタッフを引き抜く以外方法はなく、雇用機会の新設どころか地域医療の崩壊を来すことは明白である。」